今朝こんな夢を見た。
小説タッチになっている。
苦手な人は、まわれ右!
目が覚めるとそこは学校だった。
でも、誰もいない学校であった。
一人でバタバタと階段を駆け上がる。
やはり誰もいない。
みた処昼間という感じで…どうして誰もいないのかふと疑問に思ったが。
どうでもよかった。
そして、そのまま一人でずっと学校中を歩き回ってやはり誰にも会わぬままに夕方を迎えた。
「あぁ、夕方になったな」なんて思っていたら…また朝になっていた。
いい加減、気になってきたけれども誰もいないという事に特に違和感を持たなかった。
きっと、これは夢の中でだから誰もいないのが普通なんだ。
妙に冷静にそう思った。
そういえば、以前にこんな風に階段で目が覚める物語を作ったなぁ。
なんて、ぼんやりと考えていた。
あれ、どうなったんだっけ? そうだ、ネタがどうでもいいと思って何もしなかったんだっけ。
まぁ、それで良いんだけれども…。
あれ…。目が覚めたのって…階段……だったっけ。
駄目だ。思い出せない。
あれ……どうして、学校にいたんだろう………。
あれ………いいや、なんか何も考えたくないや。
考えようとすると、なぜか頭が真っ白になる。
学校……。なんで……分からない。
あらゆることが混沌としている。
頭は真っ白になるけれども、考えようとすると黒いもやっとした何かが視界をふさいだ。
それから、なにをするでもなくただぼうっとその日も学校を歩いた。
廊下を行き終わらないうちにあたりが真っ暗になった。
そして、そこで目を覚ました。
起きあがると妙に頭が痛いと思った。
ズキズキするので軽く頭を押さえながら身を起こした。
次の瞬間に、体に衝撃を覚えた。
「おきたの!!!」
何事かも分からないうちに戸惑っている。
状況がまったく掴めなかった。
でも、人に激しく抱きつかれている感覚はあった。
ね、寝起きから…何事だろう。
ただ、その抱きついて来ているのが…愛しい人だと分かるとなんだか美味しい気分に浸った。
途端に体の芯まで熱くなってくる。
でも、可笑しいと思ったのは次の瞬間だった。
彼女は抱きついたまま泣いていた。
嗚咽を漏らしながら体を執拗に押し付けてくる。
泪を流す勢いそのままに僕にずっと抱きついている。
更に、何事か分からなくなる。
抱きしめてあげるべきなのか、そうでないのか分からない。
ただ、この状況に慌てふためくだけであった。
何事だと…いうんだろうか。
だ、抱きしめてあげられなくても………。
慰めて…あげなくては。
「あ…あの…その……ど、どうしたんだい? きゅ、急に…こ、こんな風に……」
「……覚えて、ないんですか?」
彼女はようやく僕の胸から顔をあげる。
潤んだ瞳で見つめている。
「……えっと」
そういえば、なんで…僕はこんな処で…寝ているんだろう。
どうして…この部屋はこんなに白いんだろう。
保健……室?
なの…だろうか。
まったく…わからない。
ただ、彼女が泣いている事だけが分かって…それが悲しかった。
「階段のてっぺんで……頭から落ちたんですよ? 覚えて…ないんですか?」
「え? ………。……ごめん、分からないな。でも、ほら…僕なんて事ないし……。落ち着いて?」
僕はここぞとばかりに彼女を肩に優しく手を置く。
戸惑いがばれないように満面の笑みを浮かべていた。
処が、彼女は眉間にしわを寄せた。
「そういう問題じゃないですよ!!!! 何云ってるんですか!?」
彼女はものすごい剣幕だ。
今すぐにでも殴ってきそうだった。
「え? あの…何が」
「ず…ずっと寝てたんですよ?」
「はぁ」
彼女が何故、こんな剣幕になっているのか…。
まったく分からなかった。
「そんな…だから、僕は何ともないって。少し、気絶してたぐらいで脳振とうじゃないかな? ね、大丈夫だから…。……。どうしたの?」
「二日も寝てて、何を云ってるんですか!?」
「二日!? ……授業追いつけるかな。あぁ…皆勤賞ねらってたのになぁ…」
二日と云われてもすぐにはピンと来ないものである。
ふつか…。
授業、何があったっけ…。
誰か、ノートとっていてくれたかな。
って…二日!?
「そ、そんな呑気に云わないでください。わ……私、私。私!! たおれ…たって…聞いたから。死ぬほど心配して……け、怪我はないけど…頭から落ちたからって…病院に運ばれて。学校が終わって…お見舞いに行っても目を覚ましていなくて…お、お医者様の話では頭に何ともないって事だったのに…ず…ずっと眠ったままで…。わ、わた…私。お、お医者様は…このまま目覚めなかったら……もっと詳しい検査をしなければならないかもしれないって…。そ、それで……結果が悪かったら…もしかしたら………って…」
「でもほら。僕、こんなに元気だから…ね?」
「うぅ………」
そういって彼女はまたワンワンと泣き続ける。
優しく笑うと、彼女は僕の胸で泪を流し続けた。
なので、僕はそっと彼女の背中をさすった。
悪いと思いながらも……やっぱり、すごく嬉しくなってしまうのであった。
では、またいずれ。
これを見た貴方が幸せになれますように
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